③令和3年 第1回定例会の予算総括質疑【環境政策について】

令和3年 第1回定例会の予算総括質疑まとめの続きです。

2.中野区基本計画について

(2)環境政策について

※(1)地域活動推進は時間の関係で飛ばしました

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令和2年6月12日に閣議決定された令和2年版環境白書において、「今後、豪雨災害時のさらなる頻発化、激甚化などが予測されており、もはや単なる気候変動ではなく、私達人類や全ての生き物にとっての存在基盤を揺るがす気候危機である」と示され、この白書を契機として、環境省は気候危機を宣言。10月26日には菅総理が2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言いたしました。環境省の気候危機宣言前に、既に99の自治体が2050年カーボンゼロ表明をしておりましたが、本年2月26日時点で289の自治体が表明している状態であり、今後もその数の増加が予想されています。国や都とも連携を図りながら、その目標を達成すべきと考えております。

質問15

間の質問

令和3年度の環境予算ですが、財政面が困難であるとはいえ、中野区基本計画(素案たたき台)の中の重点プロジェクトにもかかわらず、目玉と言えるものが蓄電システムの導入支援のみ、しかも、昨年度執行できなかったものであるというのは、物足りなさを感じずにはいられません。この蓄電システムの導入支援の内容について教えてください。

担当課長の答弁15

この助成制度につきましては、太陽光発電設備と連携する4キロワットアワー以上の蓄電容量を有する蓄電システムの導入経費の一部を補助するものでございます。太陽光発電設備と蓄電システムの連携により、日中に太陽光により発電された余剰電力を夜間にシフトして使用することが可能となりますので、電力事業者からの購入電力を減らし、再生可能エネルギーを最大限に活用することとなります。区内の民生家庭部門における二酸化炭素排出量の削減、脱炭素社会の実現に貢献するものと考えております。補助対象は区民及び集合住宅等の管理組合、地域団体でございまして、令和3年度は1件当たり補助額は10万円、助成件数125件を見込んでいるものでございます。

質問16

間の質問

こちらについては、想定以上の申込みがあった場合はどのように対応していくお考えでしょうか。

担当課長の答弁16

補助金は予算の範囲内で執行する原則ではありますけれども、年度半ばで予算の枠を超えることが見込まれた場合は、補正予算の提案について検討する可能性もございます

名ばかりの重点プロジェクトにならないよう、環境政策を執行していただきたいと思います。私としては、重点プロジェクトとしてやっていただくべきことが多々あると思いますので、伺っていきます。

質問17

間の質問

ゼロカーボンシティの実現について伺います。令和3年8月に策定予定の第4次中野区環境基本計画の中でカーボンシティ宣言をするとのことですが、今定例会ではその素案が報告される予定となっています。その中で重点プロジェクトらしい施策を示していく必要があり、そして脱炭素社会の実現に向けた取組を実行していく必要があります。第4次中野区環境基本計画の策定後、区がゼロカーボンシティを実現するためのシナリオはどのように描いているでしょうか。

担当課長の答弁17

これから改定する環境基本計画は期間を10年間と想定しておりまして、5年ごとに見直しをすることとなっております。区有施設の脱炭素化を進めるとともに、現状の環境の実情を把握しながら、中野区の特性を十分勘案し、区民、事業者との連携・協働の下、取組を進めていくという考えでございます。

質問18

間の質問

ゼロカーボンシティの実現は自治体のみで達成することは不可能です。これまで区は、環境分野に関して、区民や民間企業、団体等との議論の場を設けたことはありますでしょうか。

担当課長の答弁18

平成22年の4月に区民や民間企業、団体との連携による中野地球温暖化対策地域協議会を設けたことはあります。改定について検討中の環境基本計画では、環境保全について産学官民での連携・協働に向けたネットワークづくりについて検討することとしております。

10年ぐらい前だと思うので、たいぶ経っているなと感じます。区民や民間企業、団体としっかりと議論し、一緒になって取り組むことが達成への近道だと思いますので、よろしくお願いいたします。

質問19

間の質問

札幌市では気候市民会議さっぽろ2020を実施し、無作為抽出で募った市民と一緒になって、具体策について議論しました。中野区でも区民や民間企業、団体等と具体策を議論する場として、気候市民会議中野の開催を検討されてはいかがでしょうか。

担当課長の答弁19

中野区基本計画の素案たたき台には、施策として、脱炭素社会の推進や気候変動への適応を掲げており、気候変動への適応に関する意識の浸透を進めていくためにも、議論の場をどのように設定していくべきか調査研究し、検討を進めてまいりたいと思います。

質問20

間の質問

区はこれまで環境アドバイザーの育成と派遣を行ってきましたが、育成の内容と現在の登録者数、活動状況について伺います。

担当課長の答弁20

学校や団体など地域で環境講座や簡易な省エネルギー診断ができる人材を育成する講座として、地域環境アドバイザー育成講座を平成18年度から平成20年度にかけて実施いたしました。講座修了者を地域環境アドバイザーとして認定し、現在の登録者数は14名でございます。令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、派遣は実施はしてございませんが、昨年度は2回の派遣の実施がございました。

質問21

間の質問

育成の講座を受けてから活動し続けてくださっている方もいらっしゃると思います。SDGsをはじめ、ゼロカーボンシティを区民や民間企業、団体と共に実現していくためには周知や勉強会が必要です。環境アドバイザーを活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。

担当課長の答弁21

ゼロカーボンシティの実現のためには、区民、事業者との連携・協働が必要でございます。今後、区内の環境に関心のある区民に対して、身近なところで環境保全活動や関連情報等を提供するなど、効果的な環境アドバイザーの活用についても検討してまいります

質問22

間の質問

御家庭や事業所向けの環境関係の補助制度等を紹介した「エコサポート2020」という冊子に、東京都の予算を活用できるメニューがたくさん掲載されています。こういった広報物は冊子としては数に限りがありますが、オンライン上でも公開されており、広く区民に周知すべきと考えますが、いかがでしょうか。

担当課長の答弁22

区民並びに事業者に対する国及び都の脱炭素社会の実現に向けた補助制度などについては、区のホームページにおいて掲載済みでございます。スマホなどからも情報収集が容易になるように、多様な情報提供のあり方についても検討してまいりたいと思います。

質問23

間の質問

神奈川県では、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、通称ZEH(ゼッチ)の普及を促進するため、県内で住宅を建設する工務店向けの研修会を行っております。ZEH(ゼッチ)の普及は脱炭素社会の実現に欠かせない取組であります。今後は環境配慮なしの仕事は難しくなってくるでしょうから、知識を身につけなくてはなりません。区内事業者支援の一環として、区でも工務店向けのZEH(ゼッチ)セミナーを開催されてはいかがでしょうか。

担当課長の答弁23

御指摘の事業者支援につきましては、中野区基本計画の重点プロジェクトに掲げた活力ある持続可能なまちの実現において、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりへの組織横断的取組を行っていく中で、区内事業者支援のためにどのような事業ができるのか、調査研究をしていきたいと考えております

地域循環共生圏について伺います。

平成30年4月に閣議決定された第5次環境基本計画では、今後の目指すべき社会像として、地域循環共生圏が掲げられました。地域循環共生圏とは、各地域が足元にある地域資源を最大限活用しながら、自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し合うことにより、環境・経済・社会が総合的に循環し、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考えであり、地域でのSDGsの実践、ローカルSDGsを目指すものです。

例えば、昨年度行われた「なかのエコフェア2019」にて、区内企業がCSR活動の一環として、木材パレットのブースを出展してくださいました。ブースはとてもにぎわっており、子どもたちが楽しそうに遊んでいました。区内にある企業が地域資源として活用される場をつくり出していくことも、地域循環共生圏の考えです。

質問24

間の質問

今やCSR、企業の社会的責任が求められる時代です。区内企業にCSR活動の一環としての協力をお願いすることで、企業価値を高めることにつながれば、それは事業者支援にもなります。全ての事業において言えることではありますが、今後、環境分野においても、そういった考え方からも民間との協働の機会をつくっていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

担当課長の答弁24

平成31年度のエコフェアにおいて、木製パレットでつくられた迷路コーナーなど、企業の環境保全に資する取組の紹介や、様々な子ども向けの体験の提供を通じて、森林の保護や地球温暖化防止への関心を高めることができたと考えております。このほかにも、民間企業が実施した衣料のリサイクルにより150件程度実績がございました。今後も脱炭素社会の実現に向けた啓発を推進するために、区内企業との連携・協働を積極的に行っていきたいと考えております

地域循環共生圏の地域間で補完し支え合うという考え方は、中野区で言えば、例えば里・まち連携のことです。今回初めて森林環境譲与税を活用して、区役所3階にキッズコーナーが整備され、配置された木製品は、里・まち連携自治体であるみなかみ町の木材を活用しております。令和3年度は学校や図書館、一時保護所施設などが対象となっているようですが、森林環境譲与税も、地域循環共生圏を意識して、その使い方、引き続き考えながら行っていただきたいと思います。

再生可能エネルギー由来の電力を使う場合で、例えば、世田谷区は長野県との連携によって、水力発電所から再生可能エネルギー由来の電力を購入し、保育所、保育園の施設に導入していますが、こういったことも地域循環共生圏の考え方です。中野区においても、里・まち連携自治体である喜多方市やみなかみ町にも電力会社がありますし、連携自治体で発電された再生可能エネルギー由来の電気を仕入れることも可能かと思います。

質問25

間の質問

既に区役所本庁舎と幾つかの施設は再生可能エネルギー100%であり、それ以外にも、小学校など清掃工場の焼却熱を利用した二酸化炭素排出係数の低いものを使っている施設があるということですが、これまでは高圧電力、低圧電力の関係や、安定供給が可能かどうかの観点から、一部区有施設では再生エネルギー由来の100%の電力への切替えが難しいという判断をしていたと思います。脱炭素社会を目指す流れの中で、状況が変わっている場合もあるかもしれません。切替えを推進していくべきではないでしょうか

担当課長の答弁25

現在、本庁舎など11か所の施設において再生可能エネルギー100%の電力を、また小・中学校46か所では二酸化炭素排出量の低い電力を選択しているものでございます。今後、これらの施設以外においても、再生可能エネルギー由来の電力など、二酸化炭素排出係数の低い電力を選択していきたいと考えてございます。

質問26

間の質問

次に食品ロス、ごみの削減について伺います。

家庭から排出される燃やすごみのうち、未利用食品は年間でどれぐらいの量となっていますでしょうか。

担当課長の答弁26

区では毎年度、ごみの組成分析調査というものを実施してございまして、昨年度の調査では、燃やすごみの中の未利用食品は3.7%でございました。年間の燃やすごみ量が5万4,088トンであったため、これに3.7%を乗じますと、昨年度は年間で約2,000トンもの未利用食品が廃棄された試算になります

2,000トン、かなりの量だと思います。ある食品会社の調査によると、フードロスの中で最も捨てられがちなのは野菜類とのことです。しかしながら、区が今年度から事業を開始したフードドライブ事業では、お米以外の生鮮食品は対象外となっており、野菜などは受け付けていません。区として何らかの対応は検討していくことが求められると思います。

質問27

間の質問

家庭で使い切れない野菜ごみなどにしないためにも、生ごみの削減につながるコンポストは有効手段の一つと思います。最近は社会課題を解決するためのソーシャルビジネスの開発が盛んで、見た目がおしゃれで、都会のベランダにも置きやすいコンポストも開発され、若い人を中心に流行しています。区はコンポストのあっせんを行ってきましたが、助成制度もあってもいいのではないかと考えますが、見解を伺います。

担当課長の答弁27

生ごみコンポストにつきましては、ごみの減量に効果があると考えてございますので、区としても区民にあっせんを行っているところでございます。今後も生ごみコンポストの効果などをさらにPRしていくとともに、あっせん品目の充実を検討していくことを考えてございますけれども、>現段階では購入費用に対する助成を行うことは考えてございません

質問28

間の質問

令和2年度から始まったフードドライブ事業は、若い人や子育て世代の興味・関心も高く、SDGsの取組を広げていくきっかけにもなり得ると考えています。現在、フードドライブの受付窓口は区役所8階の環境部と区内2か所のみです。もっと身近なところで区民がこの事業に参加できるよう、受付窓口はもっと増やすべきと考えますが、いかがでしょうか。

担当課長の答弁<28/p>

区民にとって身近な場所でフードドライブ事業に参加することができるよう、現在の2か所以外の場所での受付について、今後検討していきたいというふうに考えてございます。

質問29

間の質問

区はこれまでごみ減量、リサイクルについては、リデュース・リユース・リサイクルという3Rを推進してきましたが、昨年7月にレジ袋の有料化が始まったこともあり、ごみになるものを受け取らずに断るというリフューズが区民にとって生活の一部になっていることもあり、リペアも含めた5Rというように、より広く捉えた取組を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。

担当課長の答弁29

ごみ減量、リサイクルにつきましては、基本的にはリデュース・リユース・リサイクルのいわゆる3Rを今後、区として推進していくこととなりますけども、今、委員の方からあったように、リフューズですね。事前に断るとか、リペアという取り組みもごみ減量につながると考えてございますので、これらについても様々な機会を捉えて周知啓発を行っていく考えでございます

令和3年 第1回定例会、他の質問はこちら

令和3年度・当初予算案について
(1)ふるさと納税について

①令和3年 第1回定例会の予算総括質疑【ふるさと納税について】

(2)DXの推進について

②令和3年 第1回定例会の予算総括質疑【DXの推進について】

中野区基本計画について
(3)若者政策について

④令和3年 第1回定例会の予算総括質疑【若者政策について】

(4)満足度の高い公園づくりについて

⑤令和3年 第1回定例会の予算総括質疑【満足度の高い公園づくりについて】

(5)産前・産後ケアについて

⑥令和3年 第1回定例会の予算総括質疑【産前・産後ケアについて】