令和4年第3回定例会 総括質疑【その2】子ども・若者政策について

令和4年9月26日の決算特別委員会総括質疑のつづきです。

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2.子ども・若者政策について

質問①

間の質問

まず、子ども・若者支援センターについて伺います。昨年11月、みらいステップなかのが開設され、児童相談所については昨日森議員が質疑したところです。子ども・家庭支援センターもこちらへ移転し、支援対象を39歳までとした子ども・若者支援センターとなりました。決算説明書の子ども・若者支援センター運営費の中の子ども・若者センター維持管理経費8200万円余のうち2450万円余が不用額となっており、運営費の執行率としては70.9%でした。こちらの要因をご説明ください。

担当課長の答弁

子ども・若者支援センター維持管理経費残のうち主なものとしましては光熱水費の残が1500万円余、施設管理に係る委託経費等の残が600万円余です。この光熱水費は新規開設施設であることから見込み差が生じたものです。また、施設管理経費についてはいわゆる契約落差が生じたものです。

質問②

間の質問

“R4年度版教育要覧によれば、新規相談件数は令和元年度から(年々?)増加傾向にあり、令和2年度は前年度比約5%増だったのに対し、令和3年度の新規相談件数は前年度より266件多い1925件、約16%増となっています。こちらの増加要因はどう分析されているのでしょうか。

担当課長の答弁

子ども家庭相談のうち、虐待相談は一貫して増加しておりまして、令和元年度は884件、令和2年度は1056件、令和3年度は1173件となっています。この虐待対応相談を種別に見ますと、特に心理的虐待が増加していまして、令和元年度は322件、令和2年度は450件、令和3年度は705件となっています。このことが全体の相談件数を押し上げていると考えています。

質問③

間の質問

この中で関係機関からの相談件数が最も多く昨年度は1505件でした。関係機関との連携の工夫はどのようにされていますか。

担当課長の答弁

地域の関係機関の協力なしに子ども家庭を支える仕組みを構築することはできないため、要保護児童対策地域協議会の連携強化を進めているところです。本年4月には児童相談所開設を機に中野区児童虐待防止マニュアルを改定し、関係機関の方へ配布しました。また、実務者のための研究の実施回数を今年度から増やすとともに、会議の在り方について随時見直すなど連携強化に務めているところです。

質問④

間の質問

同じ建物内には中野東図書館がありますが、どのように連携しているのでしょうか。

担当課長の答弁

中野東図書館は7階が子どもフロアとなっており、ティーンズルームも設置されています。また、来館者も多いことからどのような連携ができるか協議を進めています。ます、図書館には子ども・若者支援センターのパンフレット等を置き、相談窓口の周知に努めています。また、若者フリースペースの活動の一環として中野東図書館のミーティングルームを利用するなど、複合施設であるメリットを生かしています。今後は、里親玄関に係る展示を中野東図書館で行うなども検討しており、引き続き連携を進めていきます。

区民に人気が高く、子どもフロアという強みを持つ中野東図書館との連携は特に効果が大きいのではないでしょうか。引き続き様々な連携を行いながら、全ての子どものSOSが届きやすい窓口として事業を展開していただくようお願いいたします。

質問⑤

間の質問

子ども・若者センターとなったことで39歳までの若者の相談も受けられる様になりました。教育要覧によると、11月からの令和3年度の若者相談の実績は22件とのことで、新しい施設ができたことがきっかけで相談窓口の存在を知ったり、センターの名前に「若者」とわかりやすく入れたことで相談先として選ばれた方もいらっしゃると推測します。若者相談の窓口を新たに開設したことで、区の相談・支援体制においてどのような拡充ができたのでしょうか。

担当課長の答弁

子ども家庭支援センターの支援対象は18歳未満の子どもとその家庭でしたが、支援対象を39歳の若者まで広げたことにより、18歳以降も継続して支援を行うことができるようになりました。また、若者相談ではどこに相談したらよいのか分からないですとか、相談内容がはっきりしないといった相談についても受け付けることができるようになり、より多くの方に御相談をいただくことができるようになりました。

対象年齢の拡充により、これまでは支援が途切れてしまうなど制度の狭間に落ちてしまっていた子ども・若者を継続して支援できるようになったことは本当に嬉しいことです。

質問⑥

間の質問

オンラインで相談することも可能ですか。

担当課長の答弁

若者相談では、電話または来所による相談を基本としており、オンライン相談には対応していません。今後、若者相談に対応していく中で要望があれば導入を検討したいと考えています。

需要を踏まえ、多様な相談手段の検討をお願いします。

質問⑦

間の質問

相談窓口と同時に若者のためのフリースペースが開設されました。こちらの設置目的を伺います。

担当課長の答弁

若者相談事業の目的は、若者がどのような支援を必要としているのか、他自治体の施設、また学識経験者、NPO等へのヒアリングなどを行いました。その結果、明らかに困りごとを抱えている若者だけでなく、なんとなく困っているような若者についても継続的な支援が必要であるとのご意見をいただきました。そのような若者に継続して来所していただくためには若者が安心してゆっくりと過ごせる居場所が必要であるとの結論となり、若者フリースペースを設置することになりました。

質問⑧

間の質問

フリースペースの11月からの令和3年度の利用者数は29名とのことです。本年6月より委託を開始するまでは直営で週1日の開所でしたが、6月からは週5日の開所となり、毎日イベントを開催するなど広く若者に興味を持ってもらう工夫が成されています。現在の利用状況や、利用者の声についてお聞かせください。

担当課長の答弁

6月以降、若者フリースペースの利用者は毎月50名程度、1日平均で2名から3名です。利用者からは、スタッフの方に話を聞いてもらえるのが嬉しいですとか、スペースが明るく、スタッフの方もみんな優しく接してくれるなどの御感想をいただいています。

質問⑨

間の質問

現状は利用者が少ない印象ですが、フリースペースは若者相談の支援が必要な状態の手前の、いわゆるグレーゾーンに対応できる、必要な機能だと思います。しかしながら、例えば「就労を支援する」という明確な目的のある若者サポートステーションなどと異なり、「好きなように過ごしてよいスペース」であることは、逆に立ち寄りづらさを感じさせたりはしないのでしょうか。周知の仕方には工夫が必要と感じますが、何か検討されていることはありますか。

担当課長の答弁

若者フリースペースはまずは通える場所、家庭や学校、職場などについて誰かに話せる場所として設置したものですが、委託開始後も利用者があまり増えておらず、周知が必要であることについては認識しています。子ども・若者支援センター開設前に行いました視察やヒアリングなどから、若者の誰かに話を聞いて欲しいという需要については一定程度あると考えており、効果的な周知については今後検討していきたいと考えています。

開設してすぐに成果が見える事業ではないと思います。他自治体の取り組みも参考にしながらノウハウの蓄積や事業の分析を丁寧に行っていただき、より居心地の良い空間づくりに努めてください。

 

若者政策支援について

若者政策の目指すべきところは、悩みや困りごと、困難を抱える若者を支援していく「若者支援」、いわゆる元気な若者の活動拠点づくりやチャレンジを支援する「若者育成支援」、主体的に地域に参画する若者を増やすための「主権者教育」、この3つの柱を整え、加えて若者の声を受け止め区政に活かすことです。それぞれに対する施策と連携があってこそ、制度の狭間に落ちることのない網羅的な支援体制づくりが実現できます。これまで重ねて若者政策の必要性を訴えてきて、ようやくこの3つの柱が整ったことを本当にうれしく思っていますし、大切なのはどうアップデートしていくか、ですので引き続き拡充を求めてまいります。

質問⑩

間の質問

R3年度、ハイティーン会議の見直しを行い、今年度からはNPOに運営を委託しての実施となりました。見直しの中で、どのような課題を見出し、事業に活かされたのでしょうか。

担当課長の答弁

これまでのハイティーン会議では、参加者の知識を深めることの成果にとまどっていたことや、中高生の自主的な活動、地域参加につながらないといった課題があったというふうに認識しています。こうした課題を踏まえ、意見表明の場であることを加え、ワークショップやフィールドワークを通じて知見を深めながら、中高生の自主的・自発的な活動や地域参加等への具体的な取り組みにつながるよう事業を構築していきます。

質問⑪

間の質問

見直しを活かして今年度より新設された若者会議や新体制のハイティーン会議について、進捗状況を伺います。

担当課長の答弁

若者会議、ハイティーン会議の活動においてどのような声が上がっているのかご紹介します。先日実施した若者会議では、若者会議の在り方を主に検討するチームと、主に中高生のメンター役を担うチームとに分かれて、それぞれ具体的な活動を始めたところです。若者会議の在り方検討チームからは、若い世代の声が届く区政になるように提言をしたいといったものや、メンター役チームからは、中高生のサポートをしながら若者の住みやすいまちをつくりたいといった提言がありました。また、ハイティーン会議ではそれぞれが考える理想の中野を実現するためのチャレンジ案の発表などを行いました。チャレンジ実施に当たり、メンターがいてくれるので頑張れそう、このような声が上がっているところです。

質問⑫

間の質問

一方で、広報面ではまだまだ課題があると思います。HPなどまだ作られていないようですが、今後の広報の取り組みについて伺います。

担当課長の答弁

今後の広報の展開については、現在若者施策への認知度向上や事業参加者、関与する区民等の増加を目的として、若者向けツイッターアカウントを開設し、活動の報告を行ているところです。今後はこうした取り組みの効果を踏まえながら、より効果的な工法となるよう検討していきます。

ハイティーン会議の目的として「中高生ならではの意見表明」、若者会議の目的として「若者ならではの視点を区政や地域に活かす」「若者と地域とのつながりの構築」があります。この目的が果たされるよう、広報の充実も図りながら、まずは初年度事業を進めてください。

質問⑬

間の質問

中高生の交流・活動支援の場について伺います。若者会議の活動を活かすためにも若者が活動するための拠点整備が必要です。区有施設整備計画では産業振興センター跡施設を複合交流拠点へ転用し、その中で中高生の交流・活動支援の場としての活用を検討する」としていますが、旧商工会館の活用スケジュールでは遅れが発生しており、それが進まないと産業振興センター跡施設の供用開始ができません。スケジュールの遅れはどのくらい生じる見込みなのでしょうか。

担当課長の答弁

産業振興センター機能等の移転につきましては、商工会館跡地を活用する事業者の募集を現在停止しておりまして、地域への説明、意見聴取を行っているところです。地域の意見を踏まえまして、今後の進め方を検討することとしておりまして、現時点では未定となっています。

質問⑭

間の質問

区長は1期目に掲げた公約の中で中高生施設を2館つくるとされていますが、今の状況では1館目にすら着手できない状況です。ハイティーン会議に加え若者会議も始まり、活動が活発になるにつれいよいよ拠点が必要になってきます。区内の全ての若者のための交流・活動の場を地域偏在も考慮し早期の2館整備を実現すべきではないでしょうか。若者相談やフリースペース等との連携もしっかり図れるよう、スピード感を持って若者政策を一体的に進めるべきと考えますがいかがでしょうか。

担当課長の答弁

若者育成支援事業をさらに展開させていくためには、若者が活動するための拠点整備が必要だとは認識をしております。中高生の居場所につきましては、産業振興センター跡施設の活用以外にも整備を進めていく必要があると考えております。活動の拠点となる場の整理を早急に進めるとともに、若者相談、フリースペース等の事業が連携をし、若者政策を一体的に進めてまいりたいと考えております。

ぜひ2館の整備、しっかりと進めていただきたいと思います!